ランチェスター戦略と、暗記
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ランチェスターの第1法則と第2法則は、戦いの質の違いによって、同じ効果を得るために投入するリソース(資源)が違う…ということを示しています。
つまり、一騎打ちのような戦い方では、リソースを地道に山ほど投入する必要があるし、集中効果が望めるような戦い方では、リソースを集中する必要があると言うことです。
そうなると、どのような戦い方を選ぶかが、大きな差になってきます。
両方の戦い方が選べるような場合は、状態に適した戦略を選ぶ必要が出てきます。
受験勉強でも、一騎打ちのような戦い方が効果的な場合と、集中効果の戦い方ができる場合があります。
ですから、こういうことを知っているかどうかで、大きな差が出るでしょう。
たとえば、英単語を覚えるだけでも、やり方によって、かなり違います。
「ターゲット1900」を全部覚えるぞ! と心に決めて、毎日100個ずつ覚えていけば、19日で全部覚えられる …ハズなんですが、そうは問屋が卸しません。
『最新脳科学が教える高 校生の勉強法』の本にもありますが、モノを覚えるのにはそういうやり方ではダメなのです。
機械的に100個ずつ覚えていけば、『記憶の干渉』が起こって先に覚えた記憶がどんどん消えていってしまうのです。
それに1900個の英単語を復習するのは、とんでもない時間がかかりますし、さらに他の英文解釈や英作文の問題集にこれらの単語が満遍なく登場してくるわけではありません。
ですから覚えた尻から忘れていき、結局延々覚え続けることになってしまいます。
これはまさに、一騎打ち的な戦いをして、リソースをどんどん注ぎ込んでいるパターンになるわけですね。
結果として、努力の割に報われないということが起こります。
暗記は忘却との戦いだ
一方、とりあえず英単語は「合格英単語600」だけでいいや! という選択をしたとしましょう。
600語程度の単語なら、20日で覚えるとしても、平均30語ずつ覚えていけばいいことになります。
ですから、初日だけ100個くらい覚えて、二日目からは復習しながら2~30語ずつ進んでいくだけでいいのです。
1900語覚えるのに比べて三分の一しか時間がかかりませんから、同じ時間で3倍以上復習できます。
また教科書や問題集などで、覚えた単語にしょっちゅう出会いますから、月に一度くらい定期的に復習しておくだけで、600語水準を維持するのは、はるかに簡単な作業になります。
こういうのがつまり、集中効果的な戦い方、なのですね。
単語というのは、使ったり思い出したりしなければどんどん忘れていってしまうものですから、単語を覚えるというのは確率的な戦いだっだということです。
もちろん600語だけでは難関大学合格には少し足りませんが、それはとりあえず600語レベルの単語をマスターしてからでも遅くはありません。
それに問題集や過去問に良く出てくる単語は、かなりの確率で自然に覚えてしまいますので、夏休みか秋頃にシステム英単語でチェックすれば充分です。