単語だけを覚えても、英文は読めない!

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基礎<受験>学力のない学生にとって、『ターゲット1900』や、『システム英単語』などといった、収録語数の多い単語集は、やってはいけない単語集です。

 

なぜなら、2000語近くも一度に覚えることは、普通の受験生にとってはムリだからです。

 

毎日英字新聞を読んだり、英語でテレビを見たりする生活をしいられているような人なら、意味はあるでしょう。

 

英語圏に留学したり派遣されたりしている人は、英語を読んで書き、聞いて話す必要がありますから、単語を覚えると言うことは、生活のための最優先事項です。

 

必要に迫られれば、このくらいは確かに覚えられるでしょう。

 

そして復習も日常生活の中でできるわけですから、忘れません。

 

ですが、そういう必要のない人にとって、この2000語というのは、覚えるのにも復習するのにとんでもない時間がかかる上、けっきょく覚えられません。

 

『最新脳科学が教える 高校生の勉強法』って言う本を読めばわかりますが、モノをしっかり覚えるには、思い出す頻度が重要です。

 

毎日、この2000語の言葉と出会う人ならともかく、2ヶ月に一度も思い出さないような単語は、結局忘れます。

 

それに『記憶の干渉』と言って、一度にたくさん覚えても、どんどん忘れていくんです。

 

一度に覚えられることには限界があって、それ以上覚えようとすると最初に覚えた知識は、どんどん消えてしまうんですね。

 

受験生、とくに国公立志望の人には、他にも覚えなければならないことが、山ほどありますから、英単語ばかり詰め込んでも合格できません。

 


ひたすら覚える勉強法というのは、時間の無駄

それに、どのみち入試では、わからない単語や知らない単語は、必ず何個も出てきます。

 

たとえばかつて、京大の入試でa curatorという単語が出ました。

 

で、これが下線部訳でどうしても訳す必要がありました。

 

この単語、当時のシス単には載っていませんでした。

 

ターゲット1900にも載っていません。

 

となるとこの単語は、文脈で意味を類推しないといけなかったわけです。

 

答えは「博物館の館長」でした。

 

英語圏で生活した人や、英語の小説をたくさん読んでいる人なら、知っていてもおかしくない一般単語だけど、普通は知りませんよね、こんな単語。

 

また、単語は知っていても、意味がわからないと言うこともよくあります。

 

試験ではないですが、スタートレックというSFドラマを字幕版で見ていると、よく「ナンバー1」という言葉が使われます。

 

ナンバー1って、何の意味だと思いますか、ミキちゃん?
 ヒントは、船の役職の名前です。

 

「ん~、船の役職?
 ナンバー1?
 船長さんのこと?
」ふつう、そう考えるよねえ。

 

でも船長って、よく知っている単語だよ。

 

チームのまとめ役とか言う意味でも使われる。

 

「ん~、キャプテン?
」そう、a captain です。

 

じゃあ、その補佐役である副長をなんていうでしょう?
「それがナンバー1?
」そうです。

 

副長のことを、number 1 と呼んでいたのです。

 

ボクシングなんかでも、ランキングというのがありますよね。

 

チャンピオンがいて、そして別にランキング1位というのが居る。

 

あんな感じですかね。

 

キャプテンが事情でいなくなったら、次を引き継ぐからナンバー1と呼ぶのでしょうか?
「ふ~ん」どういう経緯でそう言う風に使われ出したのかはわかりませんが、言葉というのは分野によって様々な意味で使われます。

 

そうなると、文脈から意味を類推しなければなりませんから、単語集だけをひたすら覚えたとしても、頑張った割には役に立たないのです。

 

だから、2000語もある単語集をひたすら覚える勉強法というのは、時間の無駄です。

 

復習しようにも、2000語もあると、丸1日かかります。

 

600語なら、2~3時間くらいで復習できますが、その三倍ですから本当に1日仕事です。

 

だから、いつまでたっても完成しません。

 


受験生が覚えられるかどうか

こういう単語集を使うと言うことは、合格バウムクーヘンの芯の半径を、最初から大きく作っていることになるので、時間もかかる上に、潰れやすいのです。

 

合格英熟語300・合格英単語600の語彙であれば、ほとんどの語彙が教科書や問題集の英文中によくでてきますので、1度覚えてしまったら復習は月に一回程度でも、忘れません。

 

が、2000語もあると、難しい問題集でもそんなに出てこなかったりしますので、月に1回の復習ではドンドン忘れていき、また覚え直しで何日もかかってしまう。

 

これでは全くのムダです。

 

英語を苦手としている受験生は、ここでとんでもない時間の無駄遣いをしているわけです。

 

さらに、もう一つ見落としていけないポイントがあります。

 

ターゲットやシス単は、入試問題から必要だと思われる単語を抽出したものですが、受験生が実際それを覚えて忘れないかどうかと言う点に関しては、保証がありません。

 

言ってみれば、英語を指導する側が「これくらいの単語の知識が必要だよ」と言っているだけで、果たしてそれを受験生が覚えられるかどうかだなんていう視点じゃないわけです。

 

一方、合格英熟語300や合格英単語600は、東大に合格した受験生が実際に覚えていた単語ですから、このくらいは忘れないという保証があるわけです。

 

バウムクーヘンの芯は、できるだけ小さな輪っかの方がしっかりしていいですから、まず最小限の語彙である合格英熟語300から覚えましょう。

 

シス単やターゲットは、受験の数ヶ月前からやれば十分です。

 

その頃には、新たに語彙を増やす必要性を感じているでしょうから。

 


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