条件は何?未知のモノは?
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数学問題の解き方。
ポリアの「いかにして問題をとくか」を読む。
★問題を理解する(1 )未知のものは何か?
与えられているデータは何か?
条件は何か?
まず、求められている答えが何か、ハッキリさせます。
数学以外のセンター試験などではよく、「正しいものを選べ」とか「誤っているものを選べ」「適切でないものを選べ」などという、紛らわしい設問があります。
こういう場合、正しいものを選ぶのか誤っているものを選ぶのか、まずその部分に○をつけて、何を答えるのかをハッキリ印を付けておく必要があります。
そうしなければ、間違った選択肢を選んでしまいます。
数学でも紛らわしい表現があります。
- 「この図形の面積を求めよ」
- 「この図形の周の長さを求めよ」
- 「回転体の体積を求めよ」
- 「表面積を求めよ」
とでは、求めるものがまるで違いますから、同様の工夫が必要でしょう。
そして、与えられているデータや条件にも、しっかり印を付けておきましょう。
例題を用いれば、こんな感じです。
例題1 (30 点)円に内接する四角形ABP C は次の条件( イ) , (ロ)を満たすとする.(イ) 三角形ABC は正三角形である(ロ) AP とBC の交点は線分BC をp : 1 - p (0 < p < 1) の比に内分する.このときベクトルAP をベクトルAB,ベクトルAC, p を用いて表せ.こういう風に、大事なところにマークをするという行為は、脳に重要なシグナルを与えます。
つまりマークをした時点で、脳は無意識にそれに関する知識を探し始めるのです。
問題を解いている最中に、足りない条件を探すような場合にも、マーキングは非常に役に立ちます。
条件が足りないな…と思って問題文を読み返すとき、マークがしてあるとすぐに見つけられるでしょう?
私の教えている生徒でも、マーキングを確実にやる生徒はどんどん上達しますが、バカにしてやらない生徒はなかなか成績が上がりません。
そんなもんです。
マーキングは、必ずやりましょう
問題を理解する(2 )条件は、未知なものを定めるのに十分であるか?
与えられている条件だけで、答えを導き出せるものかどうか、それを考えます。
たとえばルートで表された文字式があった場合、ルートの中は負でないという、暗黙の条件が隠されていたりします。
そういう隠された条件が必要があるかどうかも、判断しなければなりません。
問題に書かれていない条件についても、考えましょう。
問題を理解する(3 )図を描け、適当な記号を導入せよ
先ほどの例題の問題を図にすれば、右のような図になりますね。
中心O を描き入れたり、半径を書き入れて同じ大きさだと示す記号を入れたりすると、多少は見通しがつくはずです。
図形問題でなくても、数学は図や表を描くと視覚的に捉えやすくなります。
東京出版の「数学ショートプログラム」などによく載っていますが、数式でもなのにベクトルを考えると解きやすいとか、グラフにすれば分かるとか。
二次関数や三次関数などは、グラフを描くのは必須ですし、場合の数や確率なども、必ず書くようにしましょう。
図や表は、簡単な問題でも必ず書きましょう。
問題を理解する(4 )条件の各部を分離せよ。
それを書き表すことができるか?
与えられた条件だけで問題が解けるとしても、そのまま使えるかどうかはわかりません。
ルートの中が負でない条件などを求め、別の条件から候補を絞り込み、の未知数を求める必要があります。
これを「条件の分離と、言い換え」といいますが、そういう作業が必要な問題も、よくあります。