問題を解いて検討する
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数学問題の解き方。
ポリアの「いかにして問題を解くか」の解説の続きです。
問題の解法は、一通りとは限りません。
たとえば代数・幾何の問題などでは、ベクトルで解くか複素数平面で解くか、はたまたユークリッド幾何学などの定理を使って解くか、さまざまな解法経路が現れるでしょう。
だから、どういう解法を使って解くのか、実行する前に少しだけ検討する必要がでてきます。
受験というのは、時間との戦いですし、点数を積み上げる競争です。
だから間違える < 一部分でも正答を出す < とにかく正答を出す < スマートに速く正答を出すと言うことになるのですが、合格するのに6 5%の点数でいいなら、不確かでもとにかく答えが出る解法の方が良かったりします。
私などは、本番ではなかなかスマートな解法が思い出せないタチなので、計算量がかなり多くともガリガリやってしまいますが、これは悪い癖です。
問題を見て解法パターンを思い出すトレーニングをしっかり積んでおけば、だんだんスマートな解法が思い浮かぶようになれます。
仕事柄、毎年同じ問題を解くようになってみると、それを強く感じます。
実行するプランが決まったら、もうとにかくドンドン計算していきます。
もちろん、途中でその計算が妥当なものか、確かめながらやる必要もありますが。
答えが妥当なものか、検討する
出した答えが妥当なものか、少なくとも必要条件を満たしているかということは、検討しておく必要があります。
たとえば問題に与えられた条件で、使っていない条件があったとしたら、たいていはどこかで間違っていることでしょう。
また予想より数値がはるかに大きかったり、或いは小さかったりした場合も、どこかで間違っているか勘違いがあったかでしょう。
もちろん、使わない条件も含まれている問題というのも、たまにあります。
塾で教えていても、そういう問題に出くわしたりします。
そういう問題に出くわすと、ものすごく不安になります。
ですが難関大学の入試問題というのは、過不足なく条件が与えられている場合が殆どですから、その点は安心して良いでしょう。
受験というのは、点数を積み上げる競争ですから、どれだけ頑張っても0 点では意味がありません。
時間がかかっても、答えが妥当なものかはちゃんと検討しなければダメです。
こういうことは、普段問題を解くときから癖にしておきましょう。
答えを見る前に、もう一度その答えでよいのか、必ず検討しましょう。
でないと本番だけ検討しようと思っても、まずできませんし、何よりも勘が働きません。
勘が働くというのも、問題を解く上では大事な要素です。
解法パターン、思い出しトレーニング
最後に、数学の解法パターンを思い出すトレーニングの方法について、少し書いておきます。
何をやるかと言えば、既に解いた問題集の問題を見て、どういう風に解くのか口で言うというトレーニングです。
解法パターン・思い出しトレーニング
(1 )まず問題を見る
(2 )どうやって解いたか、大まかな解法パターンや解法ストーリーを思い出す。
(3 )答えを見る。
(4 )解き方が合っていたらその問題は解かずに、次の問題に進む。間違っていたら印を付けて、その問題をもう一度解く。
(5 )全問正解するまで、繰り返す。たまにやる。
簡単ですが、漫然と問題集をやるよりも何倍も効果があがるでしょう。
薄っぺらな問題集を繰り返しやるというのは、無意識にそういうことをやっているわけですが、意識的にやればはるかに効果は上がります。
試験前には必ずやってください。