いかにして問題をとくか
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数学の勉強法。
今回は、ポリア著のロングセラー「いかにして問題をとくか」(丸善)をとりあげます。
この本は、50年前に日本語版が出た超ロングセラーで、数学の問題をどう学生に解かせるかということについて、書かれた本です。
今も大きな書店に行けば数学の棚に一冊は並んでいるような本ですが、ロングセラーの割に、なぜかとても読みづらい本です。
その理由は色々ありますが、一つには「延々と同じようなことを書いている(ような感じがする)」からかも知れません。
数学問題を解く手順と、そのために普段の勉強をどうすべきかについて、ちょっと再検討してみましょう。
また数学の問題の解き方に関しては、次の本も役立つと思います。
一般論ですので、読みにくい点は同じですが、ポリアの本よりはわかりやすいと思います。
●「大学への数学・解法の突破口」(東京出版)。
問題を解く四つのステップ
ポリアは、問題を解くためには四つのステップがあると書いています。
50年前に翻訳されたもので、文体が少し読みにくいですが、引用してみましょう。
「問題の答えを見つけようとするときには、我々は問題をいろいろな角度から見、これをいろいろなやり方で解こうと試みる。
我々は幾度も立場を変えねばならない。
最初は問題を不完全にしか理解していないであろうが、進むにつれてやや展望がひらけて来、答えに達した時には、初めとはかなり違った見方をするようになっているであろう。
われわれはリストの問いと注意とを都合よくまとめるために、全体の仕事を四つに区分することにしよう。
その四つの区分とは、「理解」「計画」「実行」「検討」である。
~「いかにして問題を解くか」p9 より~
数学の問題を解こうとするとき、普通は最初に「これをどうやって解いたらいいのだろう?
」と考えますね。
単純な計算なら、すぐにでも計算を始められるでしょうが、難関大学の入試問題などではまずそんなことは望めません。
だから「問題をいろいろな角度から見、これをいろいろなやり方で解こうと試みる」わけです。
解く糸口が見つけられなくて、ウロウロしてるのは自分だけじゃない
ボクなど、都合7 回くらい京大の入試を受けたことになりますが、二次試験の数学の時間は、常に最初の3 0 分は解ける問題がどこかにないかとウロウロするばかりでした。
こういう無様なことをしているのはボクだけかと思っていましたが、月刊「大学への数学」の受験報告などを読むと、やっぱりあちこちウロウロしている受験生は多いようです。
だからパッと見て、すぐに解法が思い浮かぶ人は、天才かよほど訓練した人だけなんでしょう。
そう思うと少し安心できます。
そういうわけでたいていの受験生は、問題をいろいろな角度から見て、いろいろなやり方を試して解こうとし、そうしてその問題がどういうものであるかを、徐々に理解することになるはずです。
たとえば数列ならば四項目五項目くらいまで計算してみて、何か規則性はないかとか、図形ならばとにかく色々な図を描いてみて、何か使える定理などがないかとか考えるでしょう?
それがつまり「問題の理解」ということです。
そうしてそれが見つかったら問題を解く計画を建て、それを実行して問題を解き、最後にその答えが妥当かどうかを検討してから次の問題を解き始める訳です。
つまり問題を解くには理解 → 計画 → 実行 → 検討という四つのステップがあるのです。
「問題の答えを見つけようとするときには、我々は問題をいろいろな角度から見、これをいろいろなやり方で解こうと試みる。
我々は幾度も立場を変えねばならない。
最初は問題を不完全にしか理解していないであろうが、進むにつれてやや展望がひらけて来、答えに達した時には、初めとはかなり違った見方をするようになっているであろう。
われわれはリストの問いと注意とを都合よくまとめるために、全体の仕事を四つに区分することにしよう。
その四つの区分とは、「理解」「計画」「実行」「検討」である。
~「いかにして問題を解くか」p9 より~